小悪魔な私
そこから削除を選択して決定ボタンに手をかけた。



手が震えてしまう。



このボタンを押したら勇気との接点が、本当に無くなってしまう。




もう勇気に会えなくなる事が






ものすごく怖かった。






少しでも勇気との繋がりが欲しかった。






「…やっぱり…押せないよ…」





そう呟いた。





携帯に涙が落ちる。





もう無理なのかな?





ここまで勇気の存在が大きくなっている事に、自分自身が驚いていた。





きっとあの時の本当の私の気持ちは、





『勇気を渡したくない!!』





だったんだと思う。




でも、もう遅いよね……




私は深くため息をついた。


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