小悪魔な私
その時、





――――ガチャ







後方でドアの開く音が聞こえた。






えっ?





私は携帯を持ったまま振り返ると






肩で息をしている勇気が立っていた。






「ごめん、遅くなった」






ギュッと携帯を握り締めたまま動けない私が居た。



みるみるうちに、私の瞳に涙が溜まる。




これは……



夢じゃないよね?




勇気はゆっくりと私に近づいてくる。






「迎えに来た」





そう、ぶっきらぼうに言うと私の目の前に立った。


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