小悪魔な私
私は和柄のポーチとさっき行った所のあぶらとり紙を選んだ。


何だか勇気はいつもより素直でそれがまた私をキュンとさせた。

「妹さんの事、大事にしてるんだね」

「ああ、あいつ苦労してるから」


勇気は初めて家庭の事を話してくれた。

妹さんは母親が再婚した時の連れ子で昔虐待を受けていたんだって。

でも、少しずつ勇気には心を開いてくれて、勇気はこの子は俺が守るって決心したんだって。

ポツリ、ポツリ話す勇気の言葉はすごく重みが有って勇気の妹さんに対する気持ちが伝わって来たんだ。


「そうか……」


私は勇気の話を聞きながら自然と涙がこぼれていた。


「何故お前が泣く……」

「だっ…てヒック、…ゆ…うきヒックやさ…し」

「あ~~わーったわーった!」



そう言って涙を拭ってくれ、


「ありがとな」


と言いながら頭を撫でてくれたんだ。


< 71 / 306 >

この作品をシェア

pagetop