小悪魔な私
「今日はフランス料理だよ~」

一応笑顔で聞いてるふりをしてるけど、色々話してくれてる隆の話なんか耳を素通りする。


私の頭の中には勇気しか居なかった。


高価なTIFFANYのネックレスを差し出して
「雫ちゃんにプレゼント」

「ありがとう」

ってはしゃいだ振りをしている私。

隆は満足気な感じで頷いている。



はっきり言ってどうでも良かったんだ。

TIFFANYのネックレスよりも、高価なフランス料理よりも好きな人と一緒に過ごしたかったんだよね、私。


何を話したかなんて全然覚えてない。


気づいたら2人で手を繋ながら外を歩いていた。

この近くって勇気のパン屋が有るんだ。。。


私は一瞬にして鼓動が速くなる。

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