ふみちゃんとカサブランカ
 「わたくしは、つぼみの時に色々な虫が食べに来ます。
 だからいつも冷たい話し方をしていました。
 でもここなら私を食べに来る虫は、
 来ないのでほっとしました。」

 「食べられちゃうの?」
 「そうです。そうするともう花は、咲かないです。」
そこにおかあさんの
 「おやつですよ。」
と言う声が聞こえました。
さっきわからなかったいい香りは、
おかあさんがアップルパイを焼いていた香りでした。

 「はーい。」
とうれしそうにふみちゃんは返事をしてから、
 「カサブランカさんは?」
 「わたくしは、お水を替えてくださる?
 そして茎の下のほうを少しだけ切ってくださいな。」
ふみちゃんは、言われたとおりにしてあげました。
 「ありがとう。
 これでお水が吸いやすくなりましたわ。」
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