ふみちゃんとカサブランカ
 数日たつと カサブランカは、
花びらを一つ落としました。
あわててふみちゃんが、
 「どうしたの?」
と聞くと
 「そろそろお別れですね。
 ふみちゃん、あなたに優しくしていただけて
 うれしかったです。また来年会いましょうね。」

 「来年もお話できるかしら?」
 「今度は、ふみちゃんが、
 流れ星にお願いしてください。
 それからわたくしは、夏の暑さが苦手ですから、
 真夏は、お庭の隅の大きなあの木の下に
 鉢を移してくださいね。
 お願いします。
 ふみちゃんありがとう。」

カサブランカの声は、
だんだん小さくなっていきました。
ふみちゃんは、声が聞き取れなくなっても
 「夏には、あのびわの木下に置くからね。
 来年またおしゃべりしましょうね。
 またたくさんのお花を咲かせてね。
 待っているから約束ね。
 つぼみの時は、虫に食べられないようにね。」
 といつまでも話しかけていました。





 
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