世界から
「この国では歌を歌ってはいけないって決まりがあるの、私はそのことを知っていたけど・・・どうして歌ってはいけないのか、は知らなかったの・・・」
「話の続きを」
シオンが促す
「この国では歌は魔術の一種とされていて、昔から歌を歌うもの、歌ったもの、歌おうとするものはみんな・・・魔女だとされて、」
「火あぶりに」
リクが言った
「でも私は音楽家だから・・・みんな私じゃなくてエリオが悪い、エリオが私をそそのかしたんだろう、って決め付けて・・・」
「だが、状況からみてそう思うだろう。君がエリオと仲良くなってからすぐ・・・だろ?」
シオンは答えの分かっている問題の答えをわざわざ聞くようにして、少女に言った
「でも、歌については私はエリオに一言も言ってないし、エリオも私に一言も言わなかった」
「でも・・・エリオは平民の子どもだった」
リクが静かに言った