世界から

少しシオンは悩んだあと、考えるのをやめた

「ていうことは絵に描けさえすれば何でも具現化できるのか」
「うん、まあ理屈上は」
リクはやけにあっさりと言った
2つあるベッドの片方にダイブするのをシオンは注意した

「でもこの世に存在しないものだったり、僕自身が知らなかったりするものを具現化する場合は、相当な精神力が要るんだ」
「何で」
「例えばさ、炎や氷なんかはどういう性質かなんて誰でも知ってるでしょ」
「まあ、それはな」

「でもさ、もし僕が冷たい炎だとか熱い氷だとかを具現化しようとすると・・・」
そこでシオンは理解したらしく
「ああ、想像しづらいもんな」
「うん、まあそういうことなんだけどね」
リクはもう片方のベッドにも飛び移るようにダイブした


「で、即興で具現化するのは無理な物は、こうして本に描いているわけ」
寝転びながらリクは本のページを開いてシオンに見せた

「それは?」
「見て分からない?」
見たままをシオンが答える

「剣・・・だな」
「そ」
リクが剣を取り出した
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