世界から

「できるだけ軽く、それでいて強く、鋭く作ったつもりだけど、まあ何も無いよりマシでしょう」
シオンに手渡す
「ふーん、見た目はシンプルだけど・・・」
鞘を抜いて、軽く一振りした

「あ」

目の前にある木製のテーブルが綺麗に真っ二つになった
「・・・・・・」
リクはただ、じーっとシオンを怪訝そうな目で見つめていた
シオンはなんとも居た堪れなくなってきて

「別にこれくらい、描けるよ・・・な?」
そう言うと、リクは更に嫌そうな顔をした




「で、シオン・・・明日はどうするのさ」
木製の小さなテーブルを本に描きながら、リクはシオンに聞く
「さてな、歪みの原因は間違いなくあの二人なんだろうがな」
もう一人は知らないが、明日に行われる処刑が関係していると、シオンは判断していた

「この世界に来てすぐに遇ったあの人が言うには、“もう大丈夫”らしんだけど・・・」
「いいさ、せっかく来たんだ、最後まで・・・見届けよう」
「見てる・・・だけ?」
「とりあえずは、な」

シオンはベッドに潜り込み
「じゃあ、あとはよろしく」
そう言って眠りについた

「あ、酷い、この人でなしぃっ」
リクはまだ絵の半分も描き終えていなかった
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