君の声が聴こえる。
瞼ごしに伝わる熱はけだるさを強調させるだけで、朝なんて来なければいいと思わせるだけだ。
寒くても、高校生というだけで早起きをしなければならない。
特に私なんかは学校が山奥だから余計。
リビングに降りると部屋のエアコンはついていて暖かいが人の温かみはない。
『行ってきます。』と妙に丸い字で伝わってくる疎外感は朝が嫌いというのに繋がるのかもしれない。
「…馬鹿親め。」
発した言葉は乾いた声で喉がかれている事がわかった。
時間を見るとすでにギリギリ。
急いで学校に行く支度を済ませて『行ってきます。』の字と一緒に置いてある朝食をゴミ箱へ投げ込む。
だいぶ、親が嫌いみたい。
人の代わりに部屋を温めたエアコンを消して急ぎ足で家を出る。
こんな日は早く学校に行きたい。