君の声が聴こえる。
見慣れた校門は赤錆で汚く、玄関はつぎはぎだらけで余計汚らしい。
階段を駆け上がると無駄な爽快感と安心感に口が緩む。
「オハヨー!暁っ(あかつき)」
元気のいい声は私の友達、安達篤那(あだち・あつな)。
高校生になってからの友達だが凄く仲良くしてもらってる。
「おはよ。篤那。」
驚く程酷い声で自分でもびっくりする。
「カッコイいー!暁。ハスキーボイスだぁ!」
君はなんでもありなんだね。篤那…。
「そーいや、今日さ合コン誘われてるんだけど頭数だけでもいいからさっ!来てくんない?」
本当は嫌だけど、そんなウルウルした目、しかも
上目づかいで迫られると断れない。
本当に君は1,2年の付き合いなのだろうか。と聞きたくなる。