君の声が聴こえる。

あれから、どれくらい時間がたったのだろう。

あれからというのは男子が自己紹介をして、私達女子も自己紹介をして…
いつの間にか私とケータイが友達みたいな森田って人を除いて4つのグループが出来ていた。

ギャル男とギャル女。

知的眼鏡とお嬢様。

ロリとガキ。

そして、篤那と園田君。
本当のカップルみたいなイチャつきぶり。

わ―、仲間外れだ―。

きっと惹かれ合う2人には3人称の私なんて眼中にないんだろうな。

この感覚は家にいる時と同じ。

やっぱ来なければよかった。

見る所もなく目の前の1点を見つめていた。

そうすると、だんだん視界がぼやけてなんともいえない感覚が目から伝わる。

…焦点の問題か。

このまま、私ごとぼやけて静かになくなればいいのに。

いろいろな事を考えていると、ふと目に入ったのは見たことがあるキーホルダー。

キーホルダーの先は森田で森田の友達ケータイについていて、指を動かすたびに小さく揺れていた。

…これ、持ってる。

女の子物…だよね。
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