お弁当からはじまる恋物語〜これってデート!?〜
お弁当を食べていると、向こうから楠木くんが歩いてくるのがわかった。

「あ・・・」

思わず顔を下に向ける。
…こっち来るのかな?
あ、でもいきなり顔伏せちゃったし、もしかして感じ悪かった?
これだけのことなのに、また色々考えちゃう。

「駒井さん」
「えっ……」

伏せていた顔をあげると笑顔の楠木くんが立っていた。

「…今日大丈夫??」
「今日…」
「放課後一緒に帰ろうって言ったこと…もしかしてダメ…?」

笑顔の楠木くんがいきなりシュンとした表情になって私は慌てて、首を振った。

「ううんっダメじゃない!大丈夫だよ」
「そっか…よかった」

また笑顔に戻った。
その笑顔がキラキラして眩しすぎて直視できない私は顔を逸らしそうになるけど我慢。
そんなことしたら、なおさら感じ悪くなる。

「あ…じゃあ」
「…楠木くんちょっと待って!」

会話続かなくて、ちょっとの沈黙ののち楠木くんはドアの方に行こうとしたのを思わず引き留める。

え・・・引き留めちゃったよ私。

それも声大きかったし。

うわ……どうしよ。


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