君と出会って
2.すれ違い
その年の12月上旬。

拓海の1周忌があった。



日曜日だけど、店は臨時休業。

柏原家には拓海の友達も沢山来てくれた。

あと、レースの関係者も。

「門真さん」

後ろから声を掛けられて振り返ると、そこにはWGP250で頑張っている住吉 光が手を挙げていた。

「おお、日本に帰ってたの?」

世界で上を目指す光は人懐っこい笑顔を見せて

「はい、拓海の1周忌と、門真さんの子供を見に」

「そっか…」

「あれ?光くん???」

そこへ真由が睦海を抱いてやって来た。

「おお!久しぶりやん!!
元気にしてた?」

拓海がまだ生きている時に、3人で食事をして以来、光と真由は手紙や電話でやり取りをしている。

年齢も1歳しか違わないし、色々と話出来るみたいだった。

「うん、光くんも元気で何より」

そう言って、真由は光に睦海を抱かせた。

「うわ…思ったよりも小さいな」

光はそう言いつつも嬉しそうに睦海を抱いた。

「今で2ヶ月ちょっとだよ」

そう教えると

「まだ2ヶ月なんだ」

光は睦海の頬を触ったり、普段感じられない感触を楽しんでいた。

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