君と出会って
午後7時になり、店を閉める準備にかかる。

店の前に出していたバイクを店の中に入れる。

みんなで作業をする。

もちろん、祥太郎も。

祥太郎はこの春、高校3年になるけれど、知名度は抜群。

何度もテレビ番組で取り上げられているし、人気は多分、拓海が高校3年の時よりも上、だな。

でも、特別扱いはしない。

天狗になっても、本人が将来的には困るからね。



午後8時にすべてが終わり、自分のバイクを出す。

「そーちゃん!」

祥太郎がニヤニヤ笑いながら俺を呼び止める。

「明日、学校休みなんだー。
家、泊まりに行っていい?」

「何で、明日休みなんだ?」

明日は金曜日。

「創立記念日!
ねっ、いいでしょ?」

まだまだ幼い顔の祥太郎はこういう時、更に幼く見える。

「はいはい。
家に食べる物、何もないから買い物に付き合えよ」

その言葉に祥太郎はうんうん、と何度も首を縦に振った。
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