彼女が天国にさらわれました。


「……あぁ、死んだよ。」


「……え?」


高成は飲み干そうとしていたビールを口から離し、固まっていた。

「…死んだって…嘘だろ?お前、冗談はやめろよ、あは」


「…………」



何も答えない俺に高成は目を見開いた。

そんな俺は苦笑する。


また実感するのだ、優里の死を。

「本当…なのか?」


「こんな事冗談で言うと思うか…?」


そう言ってふふっと笑うと、高成は辛そうな顔をする。

だって笑うしかないだろ。


「お前なんで笑ってられんだよ?優里ちゃん死んだんだぞ?」


「なんでだろうな、まだ理解出来てないのかもな。」



そう言ってまた笑うと、高成は同情を見せた目で俺を見つめる。


なんだかその光景が俺にはうっとうしかった。


「お前大丈夫か?本当に。」

「あぁ大丈夫だよ。」



そう言って、また笑った。


その後は優里の話をいっぱいして、二人で笑って話してたけど途中で高成が泣き出したから俺が慰めてた。

おいおい普通逆だろ。


そして家に帰ったんだけど、優里のいない部屋はやっぱり静かだった。


優里がいない間にも時間はこうして過ぎて行くのだと思うと何だか悲しくなった。



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