彼女が天国にさらわれました。
火葬が終わり、骨壷に優里の骨を入れていく。
優里の骨は折れてしまいそうなほど、細くなっていた。
ちょっとずつ、ちょっとずつ入れていく。
そしてお墓に入れた。
手を合わせて、目を瞑る。
優里、なんで死んじゃったんだよ。
結婚式場用意したんだぞ、指輪だって買ってあったんだ。
そこまで用意できたのに、花嫁が死んでどうすんだよ。
意味ないじゃないか。
そう言えばお前が居なくなってから、ご飯がコンビニ弁当になったよ。
前はお前が作ってくれていたのにな。
目を開けると、みんなも終わった様で、墓を見つめていた。
今日はそれで終わった。
帰り際に、雅子さんに手紙を渡された。
優里からだとすぐにわかった。
それをもらい、頭を下げ、俺はその場を後にした。
帰りの電車の中で、仲が良いカップルを見た。
幸せそうに笑っていて、同じ駅で降りていく。
その光景が羨ましかった。
家に着き、ネクタイを取ってテレビをつける。
ワイシャツも第三ボタンまで開けて、だらしない格好になる。
ソファーに座ると、胸ポッケから手紙を出した。
中には二枚の手紙と一枚の写真が入っていた。