何処までも黒は、長く
「やめて!! 怖い怖い怖い怖い……………」
「…ゆっきー、大丈夫だよ。殺人鬼じゃないから。ちゃんと前見よ?」
あやちーの呆れた声がして、私はそうっと前を見た。
苦笑した顔で立つ、相馬の姿が其処にはあった。
「…まさか悲鳴上げられるとは思ってなかったな。俺、そこまで長塚さんに嫌われるような事、何かしたっけ?」
「……そーま? …あっと、えっと…、ごめん。」
「別に良いって。それよか、どうしたの? 何か、『怖くて怖くて…』って聞こえたんだけど。」
しまった。
聞かれてた。
あやちーが、私の見た悪夢の話を大まかにする。
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