何処までも黒は、長く





「もしもし?」

「もしもし? 長塚です。今平気?」

「あ〜、全然平気!! レポートやってて、今は息抜きしてた。どうした、眠れない?」

「うん……。やっぱね、昨日の夢が怖かった……。」



「う〜ん…………。じゃあ、長塚が寝るまで電話切らないわ。何か適当に喋ろう?」


……相馬の優しさが染みる。


「そういえば、長塚さんって何か資格持ってる?」

「資格?」

「おぅ。俺、最近何か資格取ろうと思っててさ。有った方が便利そうじゃん?」

「うーん、資格かぁ。……一応、高校の時に英検と漢検を準2まで取ってる。何か、高校が『資格取れ!!』って感じだったんだよねぇ。」


「英検と漢検かぁ〜。確かに最近はケータイとかばっかで、漢字書けない人増えてるみたいだしね。」


「あとね、色彩検定に興味有るよ。服とかのコーディネート、上手くなりそうじゃん。」


「それは良いよね!! 仕事の幅も広がりそうだし、センス良くなりそうじゃん。」

「……………。」

「………? 長塚さん?」





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