何処までも黒は、長く
その日は本当に江戸時代の文化史で、私はチマチマとノートを取っていた。
ふと思う。
昔は、時間の数え方が違った。
朝も早かったが、きっと夜も早かった筈。
…さぞかし、夜が長かったに違いない。
…夜が長い。
私には耐えられない。
今みたいにケータイも当然無いし、誰かと話して、寂しいのを紛らわす事も難しいだろうな。
授業時間が過ぎるのは早く、チャイムが鳴った。
今日はこれで帰れる。
家で残った課題を片付けなければ。
「長塚さん?」
後ろから、背中を叩かれた。
「いやーーーーーーーーーーーーー!!」
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