何処までも黒は、長く







本当にどうしたものか。
この場で急に、私の愚痴を話し出すのもどうかと思うし……。


「あの。」

「あのさ。」


私と相馬はお互いに同時に声をかける。
何だこの、ありがちでベタベタな展開。話しにくくて、気まずい。


「お先にどうぞ。」


さすが相馬。親切。
御言葉に甘えて、先に喋らせてもらう。


「…遊園地、どんなアトラクションが好き?」

「…………ぷっ。」


何だ相馬、急に吹き出すなんて失礼極まりないな。
私は相馬を軽く睨んだ。




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