クライシス
-11月8日16:25- 

大阪府豊中市豊中署・・・


赤木はパソコンの前で画面を見つめていた。


無性にタバコが吸いたくてたまらなかった。


捜査の進展が無い。


そして、赤木が一番頭を悩ませているのは、白骨体だった。


理解不能なのである。


通常人間が白骨と化すには、それなりの時間がいる。


勿論焼いてしまえば別だが、今回は違う。


布団に横たわったまま白骨と化したのである。


それも一週間で・・・


ありえない。


赤木も刑事としてかれこれ、20年やってきているが、白骨死体は大体死亡して半年以上は最低でも経過している。


なんだこりゃ・・・


赤木は立ち上がって、コーヒーメーカーでコーヒーを入れた。


窓の外は樹木がすっかり落ち葉と化していた。


赤木はそれを見ながらコーヒーをすすると、目の前に置かれている電話の内線が光った。


「はい、特捜本部」


<交換です。特捜本部の責任者宛に電話が掛かってきております>


「私が責任者の赤木やけど」


<ではお繋ぎ致します>


外線に切り変わる音がして相手が喋り始めた。


<科捜研の者です>


若い男の声であった。


「責任者の本部一課の赤木です・・・」




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