クライシス
「みんな・・・スマン・・・!」


その声に全員が壇上の真ん中を見た。


言ったのは真ん中に座る刑事部長であった。


「みんなの・・・必死の捜査が・・・実を結ばんのは・・・私のせいだ・・・」


刑事部長は拳を握る。


そして頭を下げた。


「俺に力が無いばかりに・・・本当に申し訳無い・・・!!」


全員が驚いていた。


刑事部長は大阪府警の全刑事課のトップである。

つまり府警の幹部中の幹部・・・


その人が捜査員に頭を下げる事は有り得ない・・・


「部長・・・」


一課長が慌てる・・・


赤木はマイクを再び握る。


「部長は今日、令状が降りないと分かった瞬間に直接、団体の本部に打診をしに行ってくれた・・・・」


その言葉に全員が頭を下げている刑事部長を見た。


「だが・・・門前払いを喰らった・・・」


全員が下を向いて黙った。


通常、刑事部長が直接動く事は有り得ない・・・


恐らく相手の団体の顔を立てる為に刑事部長、自らが出向いたのだろう・・・


それを門前払いすると言う事は・・・


捜査員全員の表情に怒りが沸いた。


大阪府警のデカがナメられている・・・!


全員が拳を握りしめる。

有り得ない位の怒りが全員に沸いた・・・!!
< 110 / 274 >

この作品をシェア

pagetop