クライシス
科捜研・・・各都道府県警察が各々、抱えている科学捜査研究所の事である。


「白骨体の件ですね?何か分かりましたか?」


赤木が言うと、向こうは一瞬黙った。


そして口を開く。


<いや・・・て言うか・・・それをコチラで調べさせて欲しいんスけど・・・>


うん?赤木の頭には疑問符が浮かぶ。


「あの、失礼ですが・・・科捜研の・・・どちらさんですか?」


その言葉に相手が黙る。


赤木は再び言った。


「誰や・・・?ホンマに科捜研か・・?」


そう言うと相手は溜息を付いて答えた。


<ホンマに科捜研ですよ・・・大阪府警じゃ無いけど・・・>


赤木は黙った。


<警視庁、科捜研の化学室の市橋と言います・・・>


警視庁・・・?


「嘘や・・・」


<ホンマですって>


「じゃあ、なんで関西弁やねん」


<出身が関西なんスよ!>


なるほど。


赤木はクスリと笑った。


「で、警視庁さんが何の用件でしょ?」


赤木の言葉に市橋と名乗った男は答えた。


<白骨体の事をニュースで見たんスよ、あれ・・・だれか素手で触った人は居ませんよね?>


「普通は触らんぞ」


<なら、まあ良いっス・・・じゃあ、あの白骨体を何とかしてウチで見させてください・・・て言うか、俺に見させて下さい>



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