クライシス
「その理由は?」


赤木はゆっくりと市橋に尋ねた。


<簡単です、恐らくあの白骨体のナゾが解けるのは俺しかいませんよ>


「ほう・・・凄い自信やないか」


赤木は笑った。


<フュージョンって知ってますか?>


「フュージョン・・・?」


<人工的なウイルスで・・・生物兵器に使用される恐れがあります・・・飛沫感染して爆発的に感染して行き、感染後の潜伏期間は僅か10日から14日で・・・>


「待て」


赤木は一旦止めた。


<なんスか?>


「なんの話しや?」


<だーかーらー、恐らくフュージョンなんスよ!>


「何が?」


<白骨体はフュージョンに感染した結果、人間が僅か三週間で白骨体に成ったんです!!!>


「え・・・?」


<ただ、俺も実際に見ないと分かんないんスよ!だから検体を欲しいんです!!>


「君の連絡先は・・・?」


<言いますよ?良いっスか?>


「待て、待ってくれ!」

赤木は慌ててメモ用紙を探す。


番号を控えると、市橋は続けて言った。


<後、一応は大丈夫だとは思いますけど・・・絶対に白骨体には素手で触らないで下さい、ウィルスは外気に触れると死にますけど、念のため・・・>


市橋はそう言って電話を切った・・・
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