クライシス

『ホンマ？よし！んじゃ明日、仕事が終わったら』
高田がそう言うと由香は笑った。
「はい。そしたら明日」
『ありがとう！』
そう言って高田は電話を切った。
由香は電話を切り終わるとベッドに寝転がり、溜息を一つつく。
良いんかな？これで。由香は思った。
雄介。ホンマにこのまま終わるん？こんな終わりなん？由香は爪を噛んだ。
そして高田を思い描いた。
高田は良い男だと思う。イケメンで仕事も出来るし、優しい。だが。好きかどうか、そう言われたら、分からない。
いや、高田云々と言うよりも由香は雄介が……好きだった。