クライシス
-11月9日09:15-

大阪府豊中市豊中署・・・


特捜本部は朝から大騒ぎだった。


未知の人工的ウイルス・・・


その為に、人間が白骨化される・・・


その被害者かも知れない白骨体・・・


昨晩の内に、その報告は管理官、捜査一課長、刑事部長へと上がりそのまま警察庁へと上がり警視庁に白骨体を提出する事が決められた。


そして、もう一つ分かった事があった。


これは大阪府警の科捜研からだが、白骨体の人種が特定された。


日本人の物ではなくて、大陸の半島付近の人骨であると特定された。


被害者は半島の系の人間か?


その事から一気に捜査本部は盛り上がった。


赤木が再度捜査方針の変更をするために全員を集めて係りを振り分けていると・・・


会議室に管理官と捜査一課長・・・そして刑事部長までが現れた。


その三人の他に、もう一人若い男が一緒に立っていた。


一見、銀行員に見えるその男を引き連れて入ってきた大阪府警の刑事部の幹部達に、捜査員全員が緊張した面持ちで出迎えた。


「赤木・・・」


捜査一課長が顔を引きつらせながら赤木に言った。


「はい」


赤木は答える。


管理官がブスッとした表情で黙って立っていた。


赤木は警察に身を置いて、かれこれ25年が経過している。


今から行なわれようとしている事を瞬時に理解した。


そして、それは昨日の白骨体の報告を受けた時から薄々分かっていた。


他の古参の捜査員も何となく分かった表情をしている。


一課長は唇をかみ締めながら・・・呟いた・・・


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