クライシス
−11月12日20:15−

東京都千代田区警察庁・・・


警察庁と警視庁は違う。


警視庁はあくまで、東京都の警察だ。


警察庁とは全国の警察の本部である。


ただ、警察庁と警視庁の本部建物は殆ど隣同士である。


その警察庁の一室に、一人の男が机の前で悩んでいた。


男の名前は木下。


彼は『チヨダの校長』と呼ばれていた。


正式には警察庁警備局警備企画課第二担当理事官。


長い肩書だ。


彼は全国の警察に派遣されたチヨダと言う組織の長である。


警察は秘密の組織が多い。


チヨダはその中でも特に秘密にされている組織である。


何故ならば、彼らは反体制組織や外国のスパイなどを盗聴したり、潜入したりと合法とは言えない仕事を行うからである。

そのトップが『チヨダの校長』なのである。


木下は頭を抱えていた。


フュージョンについてである。


元々、殺害された山川はチヨダが秘密裏に監視をしていた。


何故ならば、山川は大陸の半島の北側に位置する社会主義国家に情報を売っていたからだ。


山川は、ある自衛官に近付き弱みを握り情報を得ていた。


それを北の国に売っていたのだ。


その見返りとして、毎月30万円の金を得ていた。
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