クライシス

「それが、中々、難しい」
「え？」
「肝心な場所が暗号化されていますね。研究員が総出で頑張っていますが……君はどうしますか？私達と一緒にやりますか？」
　教授に言われて雄介は目が輝いた。
「もちろん！やらせて下さい！」
「フォフォフォ。そう言うと思っていました」
　楠木は立ち上がった。
「さあ、行きましょう！」
「え？でも、まだ退院の許可が――」
「規則は破る為に有ります！気にしない、気にしない！」
　そう言って楠木は雄介を促す。雄介は笑った。相変わらず無茶苦茶な人だ。