クライシス
雄介が考え込んでいると由香が声を掛けた。
「雄介って、実は研究員や無かったん?」
「え?」
 雄介が由香を見た。
「だって、研究員がアメリカに行かへんやろ?その辺は教授が言ってくれへんかったんやけど……」
 そりゃそうだ。言える訳が無い。話がおかしくなる。
 雄介は今はゼロに籍を置いている。ゼロなんて言葉は一般人には分からないし、同じ警察内でも言ってはいけない。
「まあ、色々あるわ」
 雄介は笑って誤魔化した。
 今何かを感じてたのに、立ち消えた。雄介は溜息をついた。俺は日本に戻ってトコトン、ボケてしまった。































< 241 / 274 >

この作品をシェア

pagetop