クライシス
二谷は慌てて運転手を見る。


運転手はジッと二谷を見つめた後に、黙って頷いた。


二谷は慌てて、別の交通課員に言った。


「ちょっと・・・頼む・・・」


そう言うなり二谷は駆け出した。


「え?二谷さん!・・・」


交通課員は慌てて二谷に言うが、既に二谷は全速力で駆け出していた。


二谷は国道を走ると近くのコンビニに来た。


そして、公衆電話で今見た番号を回した。


・・・そう・・・運転手の免許証の裏側に紙片が貼ってあったのだ。


そして、そこには電話番号が記載されており・・・最後に『キジ』と書かれていた。



キジからの連絡であった・・・!



二谷が番号を押し終わり数コールの呼び出しの後に相手が出た・・・


<久しぶりだな・・・>


その声は紛れも無くキジの声であった。


「はい・・・」


二谷は押し殺した様な声で返事をする。


<時間が無い・・・手短に話す・・・今、君達の国は危機が訪れている・・・もう分かっているとは思うが・・・!>


二谷は目を見開いた。


<テロが起きる・・・だが、いつかは私も今は分からない・・・また連絡をする・・・!>


それだけを言うとキジは電話を切った。


二谷は呆然としたまま受話器を握っていた・・・


テロが・・・!


起きる・・・!


二谷の額から汗が流れ始めた・・・
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