クライシス
アメリカは・・・傍観を決めやがった・・・


桜井総理はそう思ってネクタイを緩めた。


日本で実験をしたいのだろう・・・そして、有る程度の結果を観測した時に・・・ワクチンを日本に寄越す気だ・・・


奴らのやり口は・・・原爆投下の時から一切変わって無い・・・


桜井総理は机を蹴った。


自分が歯痒い・・・


国民の生命と財産を守る立場に居る自分が何も出来ない事が歯痒かった。


桜井は自席に有る、電話の受話器を上げると内線を繋げた。


「私だ・・・三時間後に再び会議を開く・・・各大臣、官僚、オブザーバを全員集めろ・・・」


それだけ言うと受話器を置いた。


大臣達から文句が出そうだが・・・知るか!


こんな時に働かなくて、いつ働くんだ!


桜井総理は机の前にあるソファーに寝転ぶと、しばしの仮眠を取った。


とにかく・・・・早急に対策を練らねば・・・















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