クライシス
「三宅巡査・・・そろそろ・・・捜査のお時間ですよ・・・!」


雄介はそう言って三宅を見つめた。


そして留美の方を見た。


「こんにちは留美ちゃん、今からこのお巡りさんはね・・・すごおく大切な事件を解決しに行くんやで」


そう言うと留美と、その友達は目を大きくした。


「え??どんな事件??誘拐?銀行強盗??」


雄介は笑った。


「違う違う・・・もっと凄い事件・・・いつか新聞見てたら乗るから・・・待っときや」


そう言うと留美と友達はハシャイでいた。


そして雄介を見ている三宅に近づくと小声で雄介は呟いた。


「日本にテロが起きる・・・ウイルスを使った・・・」


その言葉に三宅はびっくりした様に雄介を見た。


「そして・・・そのターゲットは大阪の可能性が大・・・」


三宅は留美を見つめた。


ウイルス・・・テロ・・・大阪で・・・


三宅がそう思っていると、遠くから大量のサイレンの音が聞こえて来た。


「だから・・・協力して欲しい・・・お孫さんのタメにも・・・」


三宅は雄介を見た。


「・・・知ってたのか・・・?」


「二谷さんに聞いたんスよ・・・あんたの娘さんと孫が大東市に住んでるって・・・だから会いに来たんでしょ?」


雄介が言うと三宅は顔を上げた。


サイレンの音は段々近づいて来た。


子供達が騒いでいた。


「俺の妻は未婚のまま・・・子供を生んで育てた・・・それが俺の娘だ・・・そしてその娘も・・・俺が原因で未婚で子供を生み育てるハメになった・・・」


雄介はそう言う三宅を見つめた・・・


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