変わらないコーヒーの味
3 裏切りは罪を増す
―――--‐‐



 「1500円になります。」


 券売場のお姉さんに代金を払い、チケットを受け取る。


 その時だった。


 「ごめーん、遅れちゃった。」


 何処かで聞き慣れた言葉に思わず振り返ると、そこには一組のカップルがいた。

 女の子の方が、ちょうど胸の辺りで手を合わせて謝っている。


 タカは、ああいう子がタイプなのかぁ。

 私は、絶対やらないし…。


 男の方は、私の方に背を向けていて顔は見えないが、怒っている様子ではないようだ。


 「……えっ?」
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