ーキミノイナイセカイヘー
Vanillaー小指の無い男
5.4.3.2.1

「イェーイ!A Happy new year!!」

今年の正月は近くの公園でNew Typeの集会が行われている。

その時、ナツの携帯が鳴った。

着信音は仁義なきの曲。

「ウッソ、年明け早々きたよ。マジ勘弁」

着信元はチームの面倒見で、西岡というヤクザ。

「もしもし、明けましておめでとうございます。ハイ。ハイ。今は住吉神社です。分かりました。失礼します」

「何て?」

「今から来るって」

「ウソ~、帰っていいっすかぁ」

周りからブーイングが起こったが、ナツは皆をたしなめ神社の入り口で整列して待つ事にした。

5分程して通行止めになっている道の向こうから1台の車が近づいてきた。

「来たぞ!」

皆一斉に背筋を伸ばし表情が固まる。

闇と同化していた黒のアバンギャルドが次第に鮮明になり、勢いよく滑り込んで来た。
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