ーキミノイナイセカイヘー
女は食器を片付けながら
(ごちそうさまくらい言ってくれてもいいのに)
と思った。
そして
(結婚生活なんてこんなもんよね)
と思い直し二階に子供を起こしに行く。
結婚してからひどい感動もひどい悲しみも皆無と言ってよかった。
ただ、目の前で眠っているこの子が産まれた事を除いては。
「ハーイ、起きなさい」
「う゛~、クァ~」
(起き上がる姿まであの人にソックリだわ)
そう思うとこの子が愛おしくて仕方なかった。
子供の着替えを済ませ、朝食を与え、男が着けっ放しにしたTVに目をやった。
どこのチャンネルでも同じネタだから別にどのチャンネルでも構わない。
「ごちそうさまぁ」
食べ終わった子供に歯磨きをするように促し、女は食器を洗い始めた。
その時、丁度お気に入りの曲がTVから流れはじめた。
どうやらニュースの中で流れてるらしい。
(あっ!?)
と思いながらも、時計に目を向けると幼稚園に遅れそうな時間。
TVから聞こえた、アーティスト名と曲名だけを頭に刻み込んでTVを消し、子供を急かし玄関のドアを開けた。
女は子供を送りながら考えていた。
(さっきの曲、昼からの買い物の時に一緒に買って帰ろぉ)
(ごちそうさまくらい言ってくれてもいいのに)
と思った。
そして
(結婚生活なんてこんなもんよね)
と思い直し二階に子供を起こしに行く。
結婚してからひどい感動もひどい悲しみも皆無と言ってよかった。
ただ、目の前で眠っているこの子が産まれた事を除いては。
「ハーイ、起きなさい」
「う゛~、クァ~」
(起き上がる姿まであの人にソックリだわ)
そう思うとこの子が愛おしくて仕方なかった。
子供の着替えを済ませ、朝食を与え、男が着けっ放しにしたTVに目をやった。
どこのチャンネルでも同じネタだから別にどのチャンネルでも構わない。
「ごちそうさまぁ」
食べ終わった子供に歯磨きをするように促し、女は食器を洗い始めた。
その時、丁度お気に入りの曲がTVから流れはじめた。
どうやらニュースの中で流れてるらしい。
(あっ!?)
と思いながらも、時計に目を向けると幼稚園に遅れそうな時間。
TVから聞こえた、アーティスト名と曲名だけを頭に刻み込んでTVを消し、子供を急かし玄関のドアを開けた。
女は子供を送りながら考えていた。
(さっきの曲、昼からの買い物の時に一緒に買って帰ろぉ)