ーキミノイナイセカイヘー
ゆっくりと近づくナツに
「お願い、来ないでっ!」
これ以上ないくらいの哀しい声でサクラが言う。
「ちょっと待てよ。何でこんなになってんの?俺のせいなら言ってくれよ!俺、頭わりぃから分かんねぇけど治せる事は治すからさぁ!」
「違うよ。ナツに悪い所なんてないよ。むしろ優し過ぎるくらい。まぁそれが悪い所かもしれないんだけどね」
「じゃあ、何でだよっ!全然説明になってないし、訳分かんねぇよっ!!」
ナツは近づいていいのか悩む。
「ナツ」
「何?」
「会えてヨカッタ。大好きだよ」
一瞬振り返ったサクラの顔は、あまりにも飾り気のない笑顔で、ナツはその翳りのない表情に気を奪われた。
その隙に、サクラは飛び込んだ。
ナツを想えば想う程に歪む、手を伸ばせば触れられそうな満月に。
あっさりとそして呆気なく目の前から消えた華奢なアマン[恋人]
何も出来ないまま
何をする事も思いつけないまま
ただ呆然と落花する月の雫を見つめていた。
「お願い、来ないでっ!」
これ以上ないくらいの哀しい声でサクラが言う。
「ちょっと待てよ。何でこんなになってんの?俺のせいなら言ってくれよ!俺、頭わりぃから分かんねぇけど治せる事は治すからさぁ!」
「違うよ。ナツに悪い所なんてないよ。むしろ優し過ぎるくらい。まぁそれが悪い所かもしれないんだけどね」
「じゃあ、何でだよっ!全然説明になってないし、訳分かんねぇよっ!!」
ナツは近づいていいのか悩む。
「ナツ」
「何?」
「会えてヨカッタ。大好きだよ」
一瞬振り返ったサクラの顔は、あまりにも飾り気のない笑顔で、ナツはその翳りのない表情に気を奪われた。
その隙に、サクラは飛び込んだ。
ナツを想えば想う程に歪む、手を伸ばせば触れられそうな満月に。
あっさりとそして呆気なく目の前から消えた華奢なアマン[恋人]
何も出来ないまま
何をする事も思いつけないまま
ただ呆然と落花する月の雫を見つめていた。