ーキミノイナイセカイヘー
Destinyーバカだとしても
PM19:10―


待ち合わせに少し遅れたのは服の調達に手間取ったから。


「遅いね。アナタ、ジコニアッテシマタノカシンパイダタネ」

アユムは謎の中国人ぽく喋った。

「悪ぃ。服が見付かんなくてさ」

ナツは皆を見渡した。

アユムのテーマは「オタク」

頭をスプレーで黒く染め、ハチマキみたいにバンダナを巻いている。

白いTシャツは肩をまくり、ケミカルウォッシュのジーンズ。

靴は見たことないペタ靴で、黒縁の伊達メガネ。

不精ヒゲまで生やして主催者の意気込みが感じられる。


マーサのテーマは「サバイバー」

上から下まで全身ミリタリーカラー。

顔面までペイントしている。

極めつけのセリフは
「俺の後ろに立つな!」
本物になりきってるらしい。


ハチベーのテーマは「ヤンキー」

見た感じいつもと変わらない。

敢えて言うなら、若干パンチの巻きが引き締まり、剃り込みが2センチ弱奥に進んだ位。

(龍の財布は止めたほうがいい)

ナツは思った。
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