ーキミノイナイセカイヘー
(もぅ二度と人を好きにならない)

そう思っていた。

この1年、ナツは女性に対しずっとストイック[禁欲]にやってきた。

しかし、その努力もミカンの前ではあまりにも無駄なことだった。



頭の中に湧き上がる否定しようのない事実。

サクラへの建前で振り払ってみても、マトリョーシカ[ロシアの伝統の人形。大きな人形の中から同じ形の人形が小さくなりながら沢山出てくる物]の様に次から次へと、しかも大きく膨らんでいくばかりだった。
< 93 / 186 >

この作品をシェア

pagetop