【BL】ラブ・チューニング
―――……
気分は憂鬱。
それでも俺は学生で、しかも進路を巡り忙しかったりする。
本当は休みたくて堪らないのに、俺は学校に向かう。
隣には、いたはずの人がいない。
―――……
「おはよっ」
「おはよ…」
元気良く挨拶してくれたのは、裕紀(ユウキ)。
でも俺は、沈んだ声でしか返せない。
「弘人のことは分かるけどさ。望がそんな顔だと心配だよ…」
裕紀は弘人の幼なじみ。
多分、俺なんかよりも深く傷付いてると思う。
それなのに、俺を心配してくれるいい奴なんだ。
なんて、和んでたら背中に衝撃。
振り向けば、和也(カズヤ)が立っていた。
「裕紀の言う通りだ。いつまでも悲しんでんじゃねぇよ」