【BL】ラブ・チューニング
「ちょ…、何処行くんだよ」
これからSH、授業が始まる。
「屋上。二人がそんな顔だと他の奴らも授業なんて受けられねぇよ」
言われて気付く。
クラスメイト全員の視線の先が俺らだってこと。
「泣き顔ヤバいんだけど…」
「二人とも可愛いすぎだろ…」
「別れたって本当なのかなぁ…」
そんな声が至る所から聞こえる。
「サボるんなら早く行こ?」
視線や声に耐えられない。
天然な裕紀は言葉の意味なんて理解してないだろうけど、俺は違う。
と言うより、気付かないほうが変だ。
ここは男子高。
完全な全寮制ではないが、自宅からの通学者は稀だ。
そのせいで、ホモやゲイになってしまう人も多い。