【バレンタイン短編-2009-】 俺のココ、あいてるけど。
 
「先輩が……先輩が……」

「うん、落ち着いて」

「……はい。先輩が、チョコ受け取って……ヒック……くれましたぁ!!すごい嬉しくて……死んじゃうぅ〜」

「そっかぁ、おめでとう!!よく頑張ったね、イズミちゃん。……グスッ」


あたしまでもらい泣きだよ。


イズミちゃんが泣いてたのはチョコを受け取ったもらえたからだったんだ。勇気を出して渡してよかったね、イズミちゃん。


あたしもセイジにチョコを渡せたんだよ。イズミちゃんが背中を押してくれたおかげ。


だからあたしは新潟まで行こうって思うことができた。そして、大好きな人に“結婚”っていう大きなプレゼントをもらうことができた。


「イズミ……頑張ってチョコ作ってよかったです。ミクさんは?」


こんなときまであたしの心配してくれて。イズミちゃんは本当にいい子。大好き。


「うん。あたしも……」


“頑張って作ってよかったよ”って、そう言いかけたとき、セイジがあたしの携帯をひょいと奪い取った。


「あ、イズミちゃん?ミクは明日仕事休むから!」
 

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