【バレンタイン短編-2009-】 俺のココ、あいてるけど。
だけど……。
そんなときでも、そんなときだかこそ、気持ちが一つになったときのことを忘れちゃいけない。
“I love you”
それから、結婚するほどお互いを必要としてるって気持ちを忘れちゃいけない。
“and... Will you marry me?”
―『あなたを愛しています。結婚してくれますか?』―
いかなるときもこの気持ちを忘れちゃいけないんだ。あたしがチョコに書いたプロポーズの言葉はそれだった。
慣れない英語、書き慣れないチョコペン……大きく型取ったハートのチョコに、1字1字“セイジに届きますように”と思いを込めて書いたんだ。
セイジはその気持ちに真っ正面から応えてくれて、あたしを受け入れてくれた。
セイジの携帯の待ち受けになったそのチョコ、ずっとずっと食べられることなく残るそのチョコ。
これほど安心することはない、セイジの穏やかな寝息や鼓動や寝顔を一番近くで感じながら、あたしは一生セイジと添い遂げることを誓った。
しつこいくらいに何度も言うよ。