私だけのスーパーマン




『僕の演技、どうだった??』

ニヤッと笑っている泉さん。


「もうすっかり騙されました…」

なんて笑いながらも内心は照れまくり。



「あの今、泉さんって何歳なんですか??」


『僕の年齢?知りたい?』

ゆっくりと頷く。


『すみれさんより5つくらい上…かなあ』

ってことは…25歳?


「若く見えますね

同い年くらいかと…」


そう言うと泉さんは首を傾げる。



『それはさ、僕が童顔だ、って意味?』


なんて意地悪そうな顔で聞く。



「そうじゃないですよ!

褒めてるんですよ、これでも」


私は首を横に振り否定する。

冗談だよ、そう言って泉さんは大笑い。



『じゃ、僕は仕事に戻ろうかな』


去っていく泉さん。


もうちょっと…話していたかったな。

そう考えてしまうのはなぜだろう。


きっと…あれだ。


楽しかったから。

泉さんと話してる時間がものすごく楽しかった。


それになんだか心の中がほんわかして。

安心できて。


泉さん…お兄ちゃんみたいだったな、

なんて考えながら私は席を立った。


バイト…行かなくちゃ








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