私だけのスーパーマン






『お前さ、その…奥寺ってヤツとは別れる気ねぇの??』


前を向き、運転しているタカ。

そんなタカがさも普通の会話かのように切り出す。



「今のところは全然考えてない。」


『今のところは、ってことは今後考えが変わるかもしれないってこと?』


今後考えが変わるかもしれない…

うーん…



「分かんないな、それは。

たぶん、ホントに大きな何かがない限り考えは変わらないかな」


大きな何かねぇ〜…タカはそう呟いたまま黙り込んでしまった。


いつも賑やかなタカが黙り込むのは気持ち悪い。



「何考えてんのよ、タカ」


そう聞いてもタカは何かを考え込んでいる様子で何も喋らない。



仕方なく、携帯を開く。


メールは1件

奥寺さんから
今日逢えないか、ということ。



悩んだあげく



「今日はちょっと…」

と、返信した。








< 120 / 234 >

この作品をシェア

pagetop