私だけのスーパーマン
オトギリソウ





何事もなかったかのように振る舞うのは容易ではなかった。

でも、慣れれば苦でもなく。


ただ…あのことを隠すのはこの人だけには無理だったみたいで。



『大丈夫ですよ、きっと。

あんなの、ただの脅しですって。』


泉さんは私の顔を見るたびにそんなことを言う。


あのシャクナゲは怖くて捨ててしまった。



「もー聞き飽きましたよ、その言葉。

ホントに気になんてしてませんってば」


そう笑っても泉さんは心配顔で。



『なんかあったら絶対、言って下さいよ』


泉さんはそう言って仕事に戻る。




なんかあったら…かぁ…










< 135 / 234 >

この作品をシェア

pagetop