私だけのスーパーマン






「じゃあまた明日ね」


「ばいばーい」


綾とお店の前で別れる。


綾の後ろ姿が完全に見えなくなったあと、またバーに戻る。




『あれ?またいらして下さったんですか?』


泉さんは微笑む。



「1杯だけ。ちょっと飲み足りなかったんで。」


私はいつも通りの顔してウソをつく。



飲みたりなかったなんてウソだ。

だって十分、呑んだもん。


まあ1杯くらいどってことないけど。



じゃあなんでここへまた来たのか。


どうしても、気になったんだ。

さっきの泉さんの表情。


明らかにいつもと違った。


なぜか…陰が見えたんだ。

あの、笑顔の裏に。









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