私だけのスーパーマン
「なんか最近、ずっとボーっとしてない?」
次の日。
講義が始まる前、綾が不思議そうに首を傾げる。
「んー…
ちょっと…ね?」
実はずっと、考えてることがある。
「何よ~?
あたしには話せないこと?」
綾はニヤニヤ笑う。
「言えないワケじゃないけど…」
きっと綾なら喜んで賛成するだろう。
でも、言うのを躊躇ってる。
理由なんて…ないけど。
「言えないワケじゃないなら言ってよ。
まあ…どうしても言いたくないならいいけど。」
綾はそう言って拗ねたような顔をする。
もうそんな顔されたら言うしかないじゃない。
「あのね、実はね、別れようと…思ってるの」