私だけのスーパーマン






時間だけが過ぎていく。

あれから2時間が経とうとしていた。


それなのに私は未だに別れを切り出せないでいた。




「あ、あの…『ね、すみれちゃん』


さっきからこればかりだ。

決心して私が口を開こうとすると奥寺さんは毎回のように言葉を遮る。




「奥寺さん…私の話…『聞かないよ』


奥寺さんが黙ったのでチャンスだと思った私。

でも聞こえてきたのは予想もしない言葉だった。




『別れ話なら聞かない。

俺はすみれちゃんのこと、愛してるよ?


何が不満だった?

俺と、別れる気なんでしょ?』



なんで…


なんで奥寺さんは私が別れようとしてること、気づいたの?







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