私だけのスーパーマン
『姉ちゃん…貴大とうまくいくんかな…』
ポツリと洋くんが呟く。
その顔はちょっと切なげで。
「あれ?
貴大くんにお姉ちゃん取られるのイヤなの?」
私はそう言ってからかう。
洋くんは真っ赤になりながら
『そんなワケないじゃないですか!!』
と、否定。
ふふ
洋くん…可愛い
綾を取られたくないなんて。
私は隠れて笑う。
『すみれさん!からかわないで下さいよ!!』
洋くんは恥ずかしそうにしながらも怒ってて。
「ごめん。ごめん」
笑いながら謝る私。
『俺は別に姉ちゃんが誰と付き合おうがそんなことはどうでもいいんです。
ただ、今回は別なんです。
相手が…貴大だから』
洋くんははあ…と大きな溜め息をついた。
どういうことだろう…?
『相手が貴大だから』
って紹介したの、洋くんなのに。
それに洋くんと貴大くんは友だちでしょ…?
私の頭にハテナばかりが浮かぶ。
その様子を見た洋くんは口を開いた。
『アイツには彼女がいるんです』